古市さんは「日本の母親の気持ちをいちばん理解してくれている独身男性」かもしれない

「ワイドナショー」や「とくダネ!」などのテレビにも出演している、社会学者の古市憲寿さん。

 

2015年に発売されたこの本を読みました。

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タイトルからは全く想像していなかった内容にびっくり。

 

「こんなにも日本のお母さんの気持ちをわかっている独身男性がいたのか!」と驚きました。

古市さんは独身男性でこどもが好きではない

この本を読んで「独身男性でこども嫌いの古市さんが、日本のお母さんの現状を、こんなにも理解してくれているなんて!」とほんとにびっくりします。

 

いや、まじで、日本のお母さんが悩んでいることがこの本にすべて書かれてありました。

 

ちょっとこの本のタイトルが「保育園義務教育化」だから、読んでないお母さんが多いかもしれないけど、これはすばらしい育児本でもあるなと思いました。

 

本の中では「僕自身、猫は飼いたいと思うが、子どもを持とうとは思えない。」と書かれてあります(笑)

そんな古市さんが、「37.5℃の涙」という漫画を読んでいて、あまりにも子育てをするお母さんの環境が理不尽だと思って、この本を執筆しました。

 

保育園の義務教育に関しては、いろんな意見があると思うけど、日本のお母さんたちがどういう状況で、どんなことで悩んでいるかということをこんなに理解してくれている独身男性がいるだけで、ちょっと泣きそうになりました。

社会学的側面から日本の母親の悩みを照らす

私は大学では社会学部を学んで、卒業しました。

社会学が育児について、こんなアプローチができるなんて感動しました。

社会学は「人間の悩みを『社会』という他者とのかかわりの中で生み出されるものだ」という見方をします。

日本のお母さんたちが悩んでいるのは、お母さんたち自身が悪いわけじゃなく、社会がお母さんを苦しませているという視点がこの本には書かれています。

「お母さん」だって人間だよ!

この本のはじめにのタイトルは『「お母さん」が「人間」だって気づいてますか?』です。

同じ人間であるはずの母親も、「お母さん」という名前が与えられた途端に、何を頼んでも聞いてくれる超人のような存在と錯覚されてしまう。

ほんまそれーーーーー!!!

「電車に乗る」ことも、「仕事を頑張る」ことも、「旅行をする」ことも、多くの人が権利だと意識することもなく、当たり前にしていることだ。

それなのに「お母さん」が同じことをすると社会の反応はまるで変わる。

「お母さん」になった途端、誰からも文句を言われないストライクゾーンが極度に狭まってしまう。

日本の「お母さん」には基本的人権が認められていないようなのだ。

たとえば同じ親であっても「お父さん」であればこうはならない。

いやほんと「お母さん」となった途端に、「自分」というのを抑えて「こども」に尽くさなきゃいけない雰囲気あるよね。

それが社会だけならまだしも「自分自身」で「お母さん」と枠に自分を当てはめようとしてしまう。

お母さんはサイボーグでも女神でもない!

日本は「お母さん」を大事にしない国

1章「『お母さん』を大事にしない国で赤ちゃんが増えるわけない」の冒頭では

この国は、「子ども」を大事にするあまり「お母さん」のことを心配しない国だ。

 

「子ども」によかれと「お母さん」に対して強制していることが、実は必要以上にお母さんを苦しめているかもしれないのだ。

 

「子どものため」って言われたら、なんにも言えなくなるからね!

お母さんの口をふさぐようなことが日本の育児本にはいっぱい書かれてて、私もうんざりした。

 

この記事に怒りを書きました👉こどもがおもちゃ屋で寝転がって泣くのは「お母さんがこどもを受け止めてないから」じゃねーよ!

 

「お母さんなんだから、それぐらい我慢しなよ」ってことがあまりにも多すぎる。

子どもが産まれてからトイレも我慢してるのに、それ以上にあれもこれも我慢しろなんて、ほんとひどすぎる。

母親とこどもは違う個体とわりきる

日本のお母さんのことを古市さんが「本当に深くわかっていてくれるな」と一番思ったのはここです。

日本では、子どもが小さい時は「悪いのはすべて私です」とオロオロするお母さんが好まれる。

一方で、僕のように「子どもと自分は違う個体なんで」と堂々としている親は批判の対象になる。

つまり、母親と子どもが「一体」であることが求められるのだ。子どもが泣くのも、全部母親のせい。それはすべて母親が何とかすべきこと。子どもは母親の力で何とかできる。そんな風に信じているお母さんが「よき母親」とされるのだ。

だけど不思議なのは、そういったお母さんは、子どもがある年齢を超えると「毒親」扱いされてしまうことだ。高校生になっても、子どものすべてを支配しようとすれば、子どもからも社会からも「気持ち悪い」と言われてしまうだろう。

子どもの時に100点だったお母さんが、「毒親」や「モラ母」扱いされてしまうのだ。これってとっても不幸なことではないだろうか。

だったら、初めから「親と子どもは違う個体」という意識を徹底さえ、「お母さん」と「子ども」を切り分けてあげたほうがいいと思う。

ここがこの本の一番の肝だと私は感じました。

 

「毒親」を生み出している一因に社会の目があると感じました。

 

子育てしていると、「こどもをコントロールすることはできないし、したくない」と思うことがよくあります。

だけど、こどもが小さいうちは社会はそれを許してくれないんです。

先ほど紹介したこの記事にも書きましたが、そのせいでめちゃくちゃ葛藤しながら子育てしています。

子どもを支配しすぎないように、周りに迷惑をかけないように。

この両方をめちゃくちゃ考えながら、子育てしてます。

そのバランスが、ほんっとに難しい。

👉こどもがおもちゃ屋で寝転がって泣くのは「お母さんがこどもを受け止めてないから」じゃねーよ!

 

親に依存される、親に支配されると「こども」も不幸になるんです。

だから、この日本社会の風潮は本当にやめてもらいたいです。

働きたいお母さんが働ける社会に

あとがきにこうありました。

なぜ労働力不足と少子化の時代に、働きたいと言ってくれているお母さんたちが、ここまで苦労しないといけないのか

 

✔働きたいと思っているのに働けないお母さん

✔育休明けで残業できず、責任ある仕事ができずに悩んでいるお母さん

✔こどもが病気になって仕事を休むことを悩むお母さん

✔仕事もしたいけどこどもと一緒にもいたいと悩むお母さん

 

こんなお母さんがいっぱいいます。

お母さんの能力が生かし切れていないのは日本の損失だと思います。

お母さんが働きやすい仕組みにするだけで、日本の景気はよくなるんじゃないかと思うくらい、ほんとうにもったいないです。

保育園義務教育化は柔軟な概念

この本では、0才から小学校に入るまでを「義務教育」にしてしまえばいいということが書かれていますが、それは毎日朝から晩まで預けてもいいし、週に1度1時間だけ預ける専業主婦のお母さんがいてもいいということです。

「義務教育」と呼ぶことで、保育園に子どもを預ける時に、お母さんの「後ろめたさ」を感じてしまう人の抵抗感を軽くしたいと思ってくれています。

古市さんの思いは主にこの2つです。

孤独な育児をするお母さんがいなくなるように
✔乳児期に集団の中で磨かれる「非認知能力=意欲や忍耐力、自制心、想像力をはぐくむ」ことが、こどもの幸せにつながる

詳しくは、本に書かれているので、ゆっくりと読んでみてほしいです。

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どうして育児がこんなにつらいのかな?自分がダメなのかな?と思っているお母さんにもぜひ読んでほしい!

 

その辺の育児書を読むよりも、元気が出るはずです。

 

この本が書かれたのは2015年。

今は2019年。

 

4年経ちましたが、日本のお母さんの状況がよくなったとは思えません。

 

国や会社には頼れないから自力でなんとかする!と奮闘しているお母さんが増えたとは思いますが。

 

お母さんたちは本当にお母さんを頑張っています。